「踏みはずし」ミシェル・リオ著 堀江敏幸訳

[堀江敏幸論のために]
 冒頭の書き出しが何とかならないものか。読み進めていくと全く違和感はなくなるのに。原因は語尾の単調さではないかと思う。「た。」で終わる文章が続いているが、原文ではきっとそんなことはないはずだ。訳すときに、そういうところまで訳してもらわないと、原作のもつ魅力が半減してしまう。不可能を承知で何とかしてほしい。と、「完全な虚構」である「私」がそう語った。

踏みはずし (白水uブックス―海外小説の誘惑)

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