インタヴュー(73)

  • きょうは散々だったとか。

別に、きょうに限ったことではありません。トラブルを引き寄せているのではないかと思うこともあります。『日本辺境論』の175ページに、「純粋状態の、ベストコンディションの「私」がもともと存在していて、それが「敵」の侵入や関与や妨害によって機能不全に陥っている。それゆえ、敵を特定し、排除しさえすれば原初の清浄と健全さが回復される。そう考える人の世界は「敵」で満たされます。そういう人にとっては、やがてすれ違う人も、触れるものも、吸う空気も、食べるものも、すべてが潜在的な「敵」になる。(中略)そして、そのとき「私」にとっての理想状態とは、この世界に「私」以外に誰もいないこと。絶対的孤独に引きこもることを意味することになる。」という状態に近いものを感じている。うつ病へと移行する思考パタンも、こういった感じではないだろうか。

日本辺境論 (新潮新書)

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